オリックス・安達了一の明るい表情を久々に見た気がする。
15日、京セラドーム大阪でのヤクルト戦で、四回にフルカウントから直球を捉えた打球は、中堅手の頭上を越した。二塁打で今季の適時打。表情を緩ませ、右拳を振った。
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この回が終わると、場内に「安達!安達!」とコールが響いた。今季最多の19安打で打ち勝った試合のなかでも、ひときわ大きい声援だった。
チームを長く支えてきた野手で最年長タイ、36歳の活躍。というだけではない、ファンの気持ちが込められていたように思う。
約1カ月半前――。
5月1日、ほっともっと神戸でのロッテ戦で3点リードの九回の守備から途中出場し、三つの失策を犯した。1イニングでは、パ・リーグの二塁手でワースト記録。チームは一挙に5点を失い、逆転負けした。
思いとは裏腹に、グラブに白球が収まらない。あの光景がいまもフラッシュバックするという。
守備のミスは、いつも忘れがたい。
「日本シリーズでも、自分の守備から流れをかえてしまった」
阪神と対戦した昨年の日本シリーズ。途中出場した第5戦で、八回に一塁へ悪送球したことも、記憶から消せないでいる。
「逆によかった」 SNSとの向き合い方
もともと、守備に定評がある選手だ。社会人野球の東芝から2011年秋のドラフト1位で入団すると、2年目で正遊撃手に定着した。
ゴロを素手でさばいたり、中…